看護師スキルアップ

看護師のコミュニケーションスキルを伸ばし隊!Part2 話を聞くコツ

※当サイトには一部宣伝が含まれます。

いつも気さくな受け持ちの患者さんに、険しい顔つきで「今日は話す気分じゃないから、そっとしてほしい」と関わりを拒否された。。。 私、なにか気に障ることをしちゃったかな。

関わりを拒む患者さんから、話を聴くコツってあるのかな?

悩む看護師

人の話を“きく”とき、あなたはどんなことを意識していますか?

そもそも「聞く」と「聴く」とは意味が全く違います。

「聞く」…音や声を自然に感じ取ること

「聴く」…身を入れて積極的に聞くこと

看護師と患者の関係の場合、看護師は患者に対し、深い関心を示し、お互いに受け入れ、認め合うことで信頼関係が生まれます。

この患者に向き合う姿勢こそが「聴く」そのものです。

ゆり
この記事を読めば、「聴く」コツをつかむための3つのスキルについて理解することができ、きっとあなたの看護に生かせるはずですよ。

この記事の内容

  1. 聴くコツをつかむ3つのスキルとは
  2. 3つのスキルの具体的な使い方
  3. これで解決!情報を聞くのではなく、“思い”を聴く姿勢を示そう

それでは、一つずつわかりやすく解説していきます。

聴くコツをつかむ3つのスキルとは

「聴く」コツをつかむための3つのスキルとは以下になります。

  • 先入観なく「聴く」スキル | ゼロポジション
  • 相手のペースで話してもらうスキル | ペーシング
  • 相手の話を促すスキル | うなずき・相づち・オウム返し
ゆり
これだけだとよくわからないと思うので、それぞれの解説と具体的なスキルの使い方についてお話します。

3つのスキルの具体的な使い方

1.先入観なく「聴く」スキル | ゼロポジション

  • 先入観なくそのまま相手を受け止める
  • 評価しない、自己解釈しない、否定しない
  • 最後までしっかり聴く
  • 否定的な接続詞を使わない(だけど、でも、しかし など)
  • 沈黙が訪れても「待つ」姿勢を示す
  • 聞き役に徹する
ゆり
ゼロポジションの関わりのキホンは、先入観にとらわれないことです。 具体的にはどのようなことか、例を挙げていきましょう。

この記事の冒頭に出てきたお悩みを例に考えていきます。

いつもは気さくな受け持ちの患者さんに、険しい顔つきで「今日は話す気分じゃないから、そっとしてほしい」と関わりを拒否された。。。私、なにか気に障ることをしちゃったかな。
悩む看護師

この事例についてですが、看護師は「なにか気に障ることをしたかな」と自分のこれまでの言動を振り返っていますが、患者は体調が悪くて話すのも、やっとの思いだったのかもしれません。

または、ご家族や友人との関係になにか、辛い出来事があったのかもしれません。

看護師の中には、いつも楽しそうに患者とお話をし、たくさん笑わせたり、お友達のように接したりする方もいます。

しかし、そもそも患者と看護師の関係というのは、交友関係ではなく、ケアを介した援助的な人間関係です。

病気を持つ人の喜怒哀楽に触れることから関係性がスタートするため、友好的なものばかりとは限らないですよね。。。

そのため、この事例の場合、患者の言動から感じた自分の先入観にとらわれず、相手の感情や言葉、表情をそのまま受け止め、聞き役に徹し、待つ姿勢を持つことが大切になります。

2.相手のペースで話してもらうスキル | ペーシング

  • 視線を合わせる
  • 目線の高さを同じにする
  • 話す調子を合わせる
  • 言葉使いや態度も合わせる
  • 雰囲気を合わせる
  • しぐさや身振り・手振りもさりげなく合わせる

これは“ミラーリング“と似たような意味ですね。

ミラーリングとは

コミュニケーション手法の一つ。相手の動作に対して、まるで鏡のように自分の動作も合わせる方法のこと。

出典:Wikipedia

相手と目線の高さを合わせるとお互いにに話しやすい雰囲気ができるというのは、小さいころから多くの人が体得していることだと思います。

病院では、患者はベッド上に座っているか寝ていることが多いです。

看護師が立ったまま患者へ話したら、威圧的に感じて、患者が話しやすい雰囲気とはなりませんよね。

ゆり
患者に寄り添って、話を「聴く」ときは、まずベッドサイドに座るなどし、患者と目線を合わせることが大切です。

3.相手の話を促すスキル | うなずき・相づち・オウム返し

  • たくさん相づちを入れる
  • 相づちを入れるときは、うなづく動作を一緒に入れる
  • 相手の言葉をオウム返しすることにより、共感を示す(信頼感につながる)

スキル③を適度に取り入れることで、相手の話を促進させる効果が得られます。

これまで、紹介した ①ゼロポジションと ②ペーシングに合わせて、患者の話にうなずいてみましょう。

再度、冒頭の事例を使って、③ オウム返しを取り入れるとこうなります。

(例)

患者「今日は話す気分じゃないから、そっとしてほしい」

わかりました。今日はお話する気分じゃないのですね。なにかお力になれることがあれば、いつでもお声をかけてください。
看護師

このように患者の話に同感するわけではなく、患者へ「あなたの話を聞いていますよ」というサインを送るためのうなずきやオウム返しです。

そうすると、目の前の患者が少しずつ話をしてくれることがあります。

あなたのうなずきや視線が患者にとって、心地よいものになったとき、「自分のことをもっと聞いてもらいたい!」と相手は思ってくれるはずです。

これで解決!情報を聞くのではなく、“思い”を聴く姿勢を示そう

いつも気さくな受け持ちの患者さんに、険しい顔つきで「今日は話す気分じゃないから、そっとしてほしい」と関わりを拒否された。。。 私、なにか気に障ることをしちゃったかな。

関わりを拒む患者さんから、話を聴くコツってあるのかな?

悩む看護師

こんな方に向けて、どのようにしたらいいのかを具体的に例を挙げて、お伝えしてきました。

繰り返しにはなりますが、3つのスキルとは以下になります。

  • 先入観なく「聴く」スキル | ゼロポジション
  • 相手のペースで話してもらうスキル | ペーシング
  • 相手の話を促すスキル | うなずき・相づち・オウム返し

今回学習した3つのスキルを用いることで、患者の不安や困っていることを聞くことができ、ケアへつなげられます。

さらに、そのケアを通して、患者ニーズを満たすことで、患者との信頼関係はもっと深められますよね!

「聴く」ことを今まで意識していなかった方は、まずこの3つのスキルをご自分の日々の生活に取り入れてみてください。

ゆり
まだ経験が浅い方でも、日々の生活の中での練習を積み重ねていくうちに、ぐんとスキルを伸ばすことができますよ!

それでは、この記事はここまでです。

看護師のコミュニケーションの記事についてのパート1をまだ読んでない方は、是非ご覧ください。

            

関連記事
看護師のコミュニケーションスキルを伸ばし隊!Part1 挨拶編

続きを見る

次回は、看護師のコミュニケーションスキルを伸ばし隊!Part3 質問の仕方 です。是非、こちらも読んで、ご自分の看護に生かしてくださいね。

〈参考資料:高橋清美(2014) . 『基礎からステップアップ 看護コミュニケーション』 . へるす出版、奥田弘美 木村智子(2006)『かがやくナースのためのPERFECT コーチングスキル』 . 学習研究社 〉

  • この記事を書いた人

ゆり

子育ても仕事も欲張りに頑張りたい !そんな看護師ママの働き方、子育て、暮らしについて発信 | 2児の子育て奮闘中 | 転勤族 | 在宅で起業したフリーランスナース

-看護師スキルアップ
-, ,